3.11

うたう、ルポルタージュ(あるいは毒書) 『苦海浄土』

「世の中に絶対なんてものは絶対にないんじゃないか」と、思い続けてきた。いや今でも、99%は絶対ではないように思える。けれど1%、もしくは1%にも満たないものであっても、ときに“絶対なるもの”がありうるのかもしれない…この本を読んで、痛切にそう…

寺田寅彦の「津波と人間」を読んで思ったこと

3・11から早3ヶ月ちょい。なんだかんだ言いつつも震災それ自体に対する関心は自分の中でやや薄れ…ということで、1933年3月3日に起きた昭和三陸大津波と甚大なるその被害の報告を受けて寺田寅彦が書いた「津波と人間」を再読した。※今回のエントリ…

「焼跡の灰の中から強く高く飛び立った」―遠く飛び立った、今/浜田省吾『僕と彼女と週末に』

「復興」「再建」といった言葉に、一抹の不信や懸念、あるいは不安を拭えない。 震災からおよそ1ヶ月。被災地はともかくその他の地域は、いろいろ悩ましいこともあれど、暮らしのリズム自体は落ち着いてきていると思う。テレビや雑誌、ネット上で、「がんば…

被災地や避難所の人たちに手渡したい本

「この人の手にかけられたために恐くてなにも書けなくなる、なんて人もいるんじゃないか」 これは、はじめて斎藤美奈子の著作(『読者は踊る』)を読んだときに思ったこと。彼女は辛口文芸評論家として有名だが、遠慮や媚びがないから「辛口」のように思える…

都知事の「天罰」発言を受けて―その「日本」を内から見るか外から見るか

どうでもよさそうでいて実はそうでもなさそうだと思った点について。(この震災に関しては今週のお題で出される以前に数日前に少し書き留めたけど、ちょうどよい機会なので) 1週間ほど前に都知事(石原)の「天罰」発言が“一瞬”、物議を醸した(後にめずら…

今回の震災を受けて忘れないようにしたい、2つの気づき。

9.11が起きたのは中1のときだったが、個人的に今回の震災は、そのとき以来の衝撃かもしれない。 衝撃と言っても、ダイナマイトが爆発して起こった振動に身体が揺さぶられるような衝撃ではなく、深い水の底で起きた何かの振動が緩慢に、重く響いていくる…