2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

みきみきツンパ、かるていは? 『パンツの面目 ふんどしの沽券』

パンツとは他人に対する陰部の最後の砦。しかし「勝負パンツ」というものがあるように、ときに人は、生殖器よりもそれを被い隠す下着を見られることの方をより意識することもある。100年ほど前の日本はまだフンドシが一般的だったようだけど。 米原万里の…

学びを通して養われるもの 『刑務所の中の中学校』

『イワン・デニーソヴィチの一日』や『ショーシャンクの空に』、佐藤優の『獄中記』等々、強制収容所や牢獄、刑務所といった空間には世間と隔絶されている分だけ特殊な雰囲気、ある種の魅力がある(入らないほうがよいし、入りたくはないけど)。ソルジェニ…

寺田寅彦の「津波と人間」を読んで思ったこと

3・11から早3ヶ月ちょい。なんだかんだ言いつつも震災それ自体に対する関心は自分の中でやや薄れ…ということで、1933年3月3日に起きた昭和三陸大津波と甚大なるその被害の報告を受けて寺田寅彦が書いた「津波と人間」を再読した。※今回のエントリ…

『科学と科学者のはなし』再読―だいぶ暇だと見えますね、寅彦先生

ざっくばらんに区別する際に理系とされる分野の本に最近手を出すようになって思うのは、「文型」「理系」という分け方はごく表面的なものに過ぎないんだな、ということである。語られていること、説明されていることの奥へ少し踏み込んでみるだけで、もはや…

おっきな割れないシャボン玉 『生物から見た世界』/「Simple is best」の意味

「人それぞれに“見えている”世界は違う」と耳にすることがあるけど、人間が見ている「世界」と、その他の動物が見ている「世界」も異なる。このパンフレット的な本は動物たちにこの世界はどう見えているか、というより、どのように見ているかという話。 その…