2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

真夏のアスファルトで干からびるミミズ。窒息しそうなほど溢れかえる窒素。あるいは、文明の寿命。『土の文明史』

土壌の肥沃さと土壌浸食は、歴史の流れを大きく変えてきた―より具体的に言えば、「土壌劣化」と「加速する侵食」という双子の問題が文明の運命を左右してきた。“泥に刻まれた歴史”を紐解くことで、それが見えてくる。 「土」をキーワードに歴史が解き明かさ…

第1回:『ウンラート教授』ハインリヒ・マン

これは一種のピカレスクものか、復讐劇か、それともだめ男の話か。副題は「あるいは、一暴君の末路」。ウンラート教授―あるいは、一暴君の末路作者: ハインリヒマン,Heinrich Mann,今井敦出版社/メーカー: 松籟社発売日: 2007/10/01メディア: 単行本購入: 8…

はじめに:伴読部について

なむさん(id:numberock)とast15さん(id:ast15)と、伴読部なるものをすることになりました。 「併」ではなく「伴」です。伴走(or 伴奏)から取りました。ではこれは一体どういうものかというと、端的には以下の通りです。 月に1回、1冊の本を指定して…

『笹まくら』再読/戦争モノの黒い魅惑

もし、明日にも日本が戦争をはじめるという情勢にあったとして、そのために自分が徴兵されたとしたら、おれは一体どうするだろう…? —なんてことを思ったりしたのは、このごろ、戦争モノに触れる機会がちょっと多いからかもしれない。『ツリー・オブ・ライフ…